ある日、介護ソフトを開発するグッドツリーに
ロボットPepper(ペッパー)がやってきました。
人手不足でロボットが高齢者さんの相手をする
みなさんはこの言葉を聞いてどう思いますか?
私が初めに感じたことは
正直、ポジティブなことだけではありませんでした。
ロボットは確かに楽しいし、喜んでもらえる
でも、高齢者さんの話し相手にロボットがなる…
なんだかさみしいし、なんだかちょっと後ろめたい
なんだか違うんじゃないか?
やっぱり人じゃないと… そんなふうに感じていました。
その後、私もPepperを連れて。介護施設に行くことになりました。
パートナーさんのデイサービスに行って、
現場でアプリの制作を行いました。
Pepperを使って、
・ご利用者さんにお迎えの挨拶をしたり
・お昼の時間やメニューを伝えたり
・お見送りをしたり
職員さんの意見も聞きながら
どんなことを言われたら、どんなことを返そうか
どんなことを言ったら、笑ってもらえるかな
どんなふうに接したら良いのかな
はじめにご挨拶
「こんにちは 僕はペッパー。お手伝いをしています!よろしくね」
ご利用者さんのお名前を呼んだり
「次郎さん はじめまして!」
好きなものを尋ねてみたり
「どんな食べ物が好きですか」
お見送りのご挨拶をしたり
「楽しかったよ!またきてね」
おじいさん、おばあさんの反応も様々で
・まるで子供に対するように接してくれたり
・興味いっぱいで、頭や手を触ってくれたり
・遠くから眺めて様子をうかがったり
・まったく興味がなかったり
・あっち言って!といやがったり
そんな中でたくさんの高齢者さんが楽しんでくれました。
楽しんでもらえた!…それでもまだ、なんだか
モヤモヤした気持ちは変わらずありました。
その後、今グッドツリーでPepperの開発をしている
宋さんが入社してきました。
自分で買ったPepperを連れて!?
始めはほんとにロボットが好きなんだな~、と
単純に思っていました。
その後、話を聞くと、Pepperを連れて
たくさんの介護事業所さんに
ボランティアで訪問していたそうです。
しかもボランティアを始めたのはPepperがいない頃からで
高齢者さんを楽しませるために、
まずタブレットPC(映像の犬や猫と遊べるアプリ)を
持っていき、次はクマのロボットを改造したけど、あまり役に立たず…
その後、いろんなことが出来るPepperにたどり着いたそうです。
宋さんのアプリで動く、Pepperはとってもゆっくりしゃべります。
高齢者さんが話を聞き取りやすいように
話した言葉は、大きな文字で胸に表示されます。
高齢者さんにしっかり伝わるように
いろんな懐かしい歌を知っています。
高齢者さんが大好きな歌を
そして、ある施設に宋さんとPepperがお手伝いに行った
際の映像を見せてもらった瞬間に、自分がロボットと介護に対して、
感じていた想いがすっきりと晴れるのを感じました。
その動画では、介護施設の職員さんと、ご利用者さん、
宋さんが、歌うPepperの中心に、盆踊りをとっても
楽しそうに一緒に踊っている姿でした。
不器用でとてもぎこちないけど、とっても楽しそうに踊る宋さんを見て
あっ!これは大丈夫なんだな、と
ロボットと介護に対して
モヤモヤしながらも、感じていた想いが形になりました。
そうか ITとかロボットとか、難しく考えていたけど
結局、作り手がいて、その作り手には暖かい想いがあって
それをPepperを通して伝えることが出来るだけなんだ、と
ICT(情報通信技術)のおかげで、東北 仙台で作った
ロボットアプリ「ケア樹あそぶ」は何十台、何百台、
日本全国にいる無数のロボット Pepperに
作ったアプリを配信することが出来ます。
Pepperが北海道にいても、石垣島にいても、
作ったアプリはすぐに届きます。
作り手の気づかいや思いやりが
ICTを通して、全国に広がる。
そう思えるとテクノロジーが、人の手のような、
ぬくもりを持ったものに感じられます。
今後もPepper(アプリ/ケア樹あそぶ)は
介護職員さん、高齢者さん、たくさんの方と出会い、
暖かい気持ちをもらって成長していきます。
もっとたくさんの人を手助けできるように
もっとたくさんの人を笑顔に出来るように
↓こちらの動画の最後で
チェックのシャツを着て楽しく踊っているのが、宋さんです。